新任小隊長の独り言

現役消防士、新任小隊長の日々を独り言的につづります。

刈り払い機&チェーンソー安全研修会(その1)

お疲れ様です、leoです。

 

なんだか気持ち悪いくらいコロナが落ち着きましたね…

 

でもこの静かさがいつまで続くのか心配なところです。

 

僕たち消防士は、まだまだ気を緩めずに仕事に取り組みましょうね!

 

さて、今回は先日参加してきた「刈り払い機&チェーンソー安全研修会」について書いていきます。

 

めっちゃ良い勉強になりました!!

 

頑張って書いていきますので、良ければ最後までお付き合いくださいね(^^)

 

 

 

【刈り払い機&チェーンソー安全研修会】

 

めっちゃ大々的に書きましたが、今回僕が行ってきたのは"安全研修会"というもので、

 

僕が住む街の市民講座として開催されたものでした。

 

そのため、なんと受講料は無料!!

 

めっちゃありがたいですね!笑

 

とはいえ、正直なところ、受講前はあまり期待してませんでした。

 

「無料だし市民講座だし、刈り払い機のこともあるし、ちょっと勉強になれば良いや!」ぐらいの気持ちで行きました。

 

会場に着いても、僕以外は人生の大先輩方ばかりで、僕は完全に場違い感が…

 

こりゃチェーンソーじゃなくて、草刈りやる人の研修会だったな…やっちまった…( ;∀;)

 

と。笑

 

でも着席してその考えが浅はかだったことに気付きました。

 

テキストすごいぞ!!

 

さっと目を通しただけでも、とても市民講座レベルとは思えない内容で、1人席に座り感激しておりました。

 

そしていざ講義が始まったのですが、講師の講義への導入方法が非常に勉強になりました。

 

講師はまず初めに事故事例から話し始めました。

 

これによって不思議と部屋の空気がガラッと変わり、一気に講義に引き込まれたように感じました。

 

たぶんですが、具体的なイメージをさせることによって、集中させる工夫なんだろうなぁと思います。

 

この方法、資機材の取り扱い訓練を指導するときに真似してみようと思いましたね(^^)

 

さて内容についてですが、要所要所で講師の"プロとしての意識の高さ"を感じることができました。

 

特に安全面に関してです。

 

例えば、安全操作をする上で必要な3つの要素について、みなさんはパッと浮かびますか?

 

講師は「正解はありません。機材を安全に使うために皆さんが考えていること全てが正解ですよ。ただし、今回は講習会なのであえて答えを言うのなら…

①知識

②技術

③判断力

の3つが必要不可欠なものです。」

 

とおっしゃっていました。

 

そして何より印象に残ったのが、判断力について話してくれた内容です。

 

「判断力は、使った人の経験に基づいて養われていきます。

 つまり、ただ使うだけでなく、使ったことを経験として蓄積していかないといけないということです。

 そして、少し厳しいことを言いますが、最終的に使う・使わない、やめる・やめないの判断をするのは自分自身なので、言うならば、事故は全て自分の責任ということになります。

 

めっちゃグサっときました。

 

以前、僕の所属でエンジンカッターの事故があったとき、会社と上司は「本人の責任」とバッサリ切り捨て、当時の僕は会社と上司にものすごく失望したのを覚えています。

 

その後、安全管理について考えることになり今日に至る自分がいるのですが、

 

今回のこの考えを聞き、自分の考え方を変えなければならないと感じました。

 

批判覚悟でめちゃくちゃ厳しいこと書きますが…

 

会社や上司が責任を取らないとか守らないのではなく、

力量不足で事故を起こす人間の責任なんて取りきれないし守りきれないのだ、と。

 

これ、きっとものすごく批判くるだろうなと思います。

 

でもきっと、皆さんの心のどこかで同じように思うこともあるはずです。

 

だって事故は、自分の技量不足、知識不足、そして気の緩みや驕りから発生しています。

 

どの事故事例を見ても共通しているはずです。

 

結局は自分自身の問題なんです。全部。

 

だからこそ、事故を起こさないために、知識も技術も判断力も、全部ピカイチにしなければならないと思います。

 

そしてその根底には「消防士としてのプロ意識」が絶対に必要です。

 

厳しいこと書きますが…

 

プロとして知識も技術も判断力も足りていないから、事故が起きる。

だから毎日毎日訓練や教養をやって、プロとしての知識、技術、判断力を身につけ、絶対に事故を起こさない人&環境を作り上げることが何よりも大切

 

ということではないでしょうか?

 

なぜ毎日同じような訓練をするのか。

 

災害に対する備えだけでなく、自分、そして仲間を事故から守るためにも必要ということですね。

 

えらそうなことは言えませんが、僕も今一度、気を引き締めていかなければと思った次第です。

 

 

……お気付きかもしれませんが、話が本題へ辿り着かないくらい濃い内容だったので、技術面の話が進んでおりません。笑

 

ので、今回は座学のことだけ書いていきますね。笑

 

だから(その1)ということでございます。ご了承を(^^;

 

さてさて、座学の話に戻ります。

 

みなさんは暗黙知という言葉を知っていますか?

 

僕は今回の研修を受けるまでは知らない言葉でした。

 

ということで、久しぶりにGoogle先生から引用させていただきます。

 

暗黙知

「経験や勘、直感などに基づく知識」「簡単に言語化できない知識」「言語化しても、その意味が簡単には伝わらない知識」「個々人が言葉にされていないものとして保持している知識」のことで、経験的知識とも呼ばれるもの。

 

こんな感じでございます。

 

例えばで言うと、寿司職人の"見て覚えろ"の世界ですね。

 

まさにプロの領域。

 

林業では、山を相手に生きた木と対峙して作業しています。

 

そのため、言葉で伝えられる技術ばかりではないと、何よりも経験がモノをいう世界だとおっしゃってました。

 

もちろん消防の世界にも、この暗黙知に当てはまることが多くあります。

 

が、消防の場合はちょっと違うと思います。

 

というのも、

 

そもそも教え方知らない

 

という人たちが多すぎて、

 

そもそも教えられない

 

ということの方が多いかと…。

(「簡単に言語化できない」んじゃなくて、「ただやってるだけだから言語化できない」ってとこですかね。)

 

僕個人的には、この暗黙知という言葉は、

 

プロが行き着く先にある知識や技術のことだから、今はまだ簡単に使ってはいけない言葉だと思いました。

 

まだまだプロと呼ばれるにはヒヨッコ小隊長です。

 

もっともっと勉強して、技術を磨いていかなきゃならないと痛感しました。

 

 

 

まだまだ続きます。笑

 

突然ですがみなさん、基本って言葉をちゃんと説明できますか?

 

僕はこの"基本"という言葉、正直あまり好きではありませんでした。

 

なぜかと言うと、

 

めちゃくちゃ曖昧な言葉だから

 

です。

 

例えば思い浮かべてみてください。

 

みなさんの所属で三連梯子を使う操法を行うとします。

 

実施隊員は10年目の中堅職員と初任科出たての2年目の若手職員。

 

さ、操法に則りいざ開始!!

 

「おいおい、搬送は基本上部側からだろ?」

「いや、自分は基底部側から搬送と教わりました。」

「いやいや!基本は上部側からだから。それは応用。基本は上部側からなの!!」

「………。」

 

んー、あるある。笑

 

みなさんもこんな経験ありませんか?

 

何かしらの取り扱い訓練や操法をやるとき、消防学校の期によってやり方が違うなんてこと。

 

僕の所属では大ありです。

 

そりゃそうです。

 

教える人が違いますし、狭い消防の世界といえど、やり方も資機材も日々進歩していますからね。

 

ただ、どちらの言い分も正しいことはわかるはずです。

 

10年目の中堅さんは、当時の学校で教わったことなので間違いではありません。

2年目の若手くんも、ついこの間卒業した初任科で教わったので間違いではありません。

そんでもって極め付けは、どっちでもOKでしょ。

といったところ。

 

つまりです。

 

基本が行方不明

 

ということです。

 

そうなるとこの"基本"という言葉、かなり曖昧に聞こえてくると思います。(僕だけだったりして…汗)

 

だから普段の訓練でも、あまり基本という言葉は使いたくなかったのですが、今回の研修会で講師の言っていた一言で考えが変わりました。

 

次の通りです。ここから激アツです。

 

「私たちが"基本"を教える時は、"自分にあった型を見つけてくださいね!"とお伝えしています。

人によって、背の高さ、足の長さ、腕の長さが違います。

説明書どおりの"基本"を押し付けるのではなくて、自分の身体の大きさにあわせ、自分自身が安全に操作できる自分の型が、その人の"基本"なんですね。

だから今日は皆さんも、それぞれにあった"基本"を見つけて帰ってくださいね。」

 

めっっっちゃ腑に落ちました。(僕だけ…?汗)

 

ここからは僕なりの解釈となりますが…

 

基本というのは、それぞれが教わってきたバックヤードから作られるものだと思います。

 

もちろん、何かをするにあたって、意思統一を図るための基本はなくてはならないと思います。

 

それがたぶん「基本操法」なのかなと。

 

が、それ以上に求めるとなると、それは押し付けであり、強要であり、基本大好きの自己満ヤローになってしまいます。

 

基本はあくまで"その人の中にあるもの"です。

 

「教える」という観点からすると、「認めることの大切さ」ってところかと思います。

 

ではなぜ基本の解釈が歪んでしまったのか。

 

それはきっと、教える側に問題があるのだと思います。

 

なんたって、基本は教えやすいですからね。

 

なーんにも考えず、その人の基本を押し付けちゃえばOKですから。

 

「これが基本だ!」(俺が基本だ!)

 

ってことです。(超拡大解釈しています。)

 

だから今まで何かを教わる時、基本が行方不明になってたんだなぁって思いました。

 

もし、人それぞれに性格があるように、人それぞれに基本があることを知っていれば、もっと消防の世界は拡がっていたような気もしなくはありませんか?

 

ちょっと論点がズレ始めましたが、要は

 

基本は自分の型

 

ってことです。

 

押し付けて強要するものではなく、あくまでも自分の型(基本)を提示する。

 

そして相手の型(基本)がどんなものかを知り、認めてあげる。

 

そしたらきっと、チームとしての新しい型(基本)ができあがるはずです。

 

そうすればもっと良い訓練、良い教養、そして良い活動に繋がる気がしませんか(^^)?

 

 

 

…うーん、我ながら見事に脱線気味。笑

 

そして文字数多くなってまいりました。笑

 

ということで、座学の内容はここまでです。

 

もう刈り払い機とかチェーンソーとか関係ないことばかりですね(^^;)

 

でも伝えたかったことはコッチなんです(^^)

 

使い方は、教われば誰だってできてしまいます。

 

でも、使いこなすには、ただ教わるだけではダメなんです。

 

技術がいくらあってもダメなんです。

 

先人たちが積み上げてきた経験を、僕たちはしっかり受け止め、学び、そこから新しい経験を積んでいかなきゃダメなんです!

 

(だから脱線してるんです!!!笑)

 

 

うまく伝わったでしょうか…(^^)?

 

今度ゆっくり実技編を書いていきます。

 

今回は久しぶりに長くなりました。

 

最後までお付き合いありがとうございました(^^)

 

 

 

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