お疲れ様です、leoです。
新型コロナの猛威が止まりませんね。
この記事を書いている最中にも、世界中で感染が拡大して、著名な方が亡くなると言うニュースがありました。
僕たち消防士にできることは、自身への感染を防ぐことです。
正直それくらいしかできません…。
自分だけでなく、自分の周りにいる人たちのことも配慮しながら、しっかりと感染予防して活動しましょう!!
さて、今回は僕たち消防士になくてはならない
空気ボンベについて書いていきます。
呼吸器と一括りにされがちですが、割と奥が深いものです。
4月から新人を迎えるにあたり、もう一度おさらいのつもりで見てください(^^)
それでは今回も最後までよろしくお願いします(^^)!
【目次】
【そもそもボンベとは?】
いつものごとく、そもそもの話です。
さっそくググってみましょう!
ボンベとは
気体や液体を貯蔵または運搬する際に使われる、完全密閉が可能な容器のこと。
内部は高圧になっていることが多く、とても頑丈に作られている。
円筒型で鋼鉄製のものが一般的。
僕たちの身近なところでもたくさん使われていますよね!
鍋をするならカセットボンベ。
ガス管が通っていないところはプロパンガスのボンベ。
在宅酸素が必要な人は酸素ボンベ。
風船膨らますならヘリウムガスのボンベ。
スキューバやるなら空気ボンベ。
などなど…。
そしてこのボンベ、中身によってボンベの色が定められているのですが…
みなさんわかりますか(^^)!?
【ボンベの色】
所属のボンベをよーく思い出してみてください。
呼吸器についてる空気ボンベは灰色。
救急車の酸素ボンベは黒。
あれ?外にあるプロパンガスのボンベも灰色だな。
うーん…
ということで!
きっと消防学校で習った人もいるかと思いますが、
気体用のボンベは中身により色分けされています。
高圧ガス保安協会というところの容器保安規則というので定められていて、日本国内ではこの規則に基づいて色分けされています。
ざっと羅列すると…
酸素⇨黒
二酸化炭素⇨緑
水素⇨赤
塩素⇨黄色
空気⇨灰色
まだまだありますが、こんな感じです。
覚えてましたか?
僕は空気と酸素しか覚えてませんでした…。
まぁ一番身近なものだけということで勘弁していただければ(^_^;)
たしか語呂合わせの覚え方があった気がするのですが、全く覚えていません…
調べてみても良いのが出てこなかったので、ここは割愛させていただきます!
(すんません…汗)
僕たち消防士にとっては、色分けはそこまで重要ではないかもしれませんが、
ちゃんと規則に基づいて色分けされている
ということは覚えておきましょう(^^)!
では、次から本題。
僕たち消防士にとって、欠かすことのできない空気ボンベについてです。
もう一度おさらいしましょう!
【空気ボンベについて】
ここまでは、そもそも論を書いてきました。
空気ボンベが灰色の理由もわかったかと思います。
ところで、みなさんの所属ではどこのメーカーのボンベを使っていますか?
僕の所属では、重松製作所が扱うエアウォーター社のブルネッカーボンベを使用しているので、このボンベを参考に話を進めていきますね!
では!さっそくじーっくり観察してみましょう(^^)
とはいえ、きっと外観はほぼ同じなので、ここはラベルと銀のシールに注目してみましょう!
(画像編集頑張りました!!笑)
ボンベの製造メーカーによって若干違うかと思いますが、
こんなラベルやシールが貼ってあるかと思います。
先ほど書いたように、僕の所属は重松製作所が扱うエアウォーター社のブルネッカーボンベです。
テイジンのウルトレッサというボンベのラベルは少し違いますが、記載されている内容は同じなので、うまく照らし合わせながら見てみてください。
少し画像が見づらいですが、ラベルの上から順に説明していきます。
【ボンベのラベル】
ざっとこんな感じです。
改めて見て思い出すことも多いかと。
そして画像2枚目の銀のシールは、
耐圧検査を行った"月-年"
を示しています。
この場合だと、
2013年の12月から3年ごとに耐圧検査を行っていることになりますね。
ちなみにボンベの耐圧検査は、ボンベの材質により高圧ガス保安法により定められていて、
FRP複合容器は3年毎
鋼鉄製容器は5年毎
に実施しなければなりません。
つまり僕たち消防士が使用する空気ボンベは、
3年ごとに耐圧検査を実施する必要があります。
忘れずに管理しなければなりませんね。
ちなみに耐圧検査の期限を過ぎてしまうと、
ガスを再充填するのは法律で禁止されています。
ので、しっかり耐圧検査を受ける必要があります。
ちなみにここに書いたことですが、
全部ボンベの説明書に書いてあります。
やっぱり説明書を読むと言うことは大事なんです。
新しく入る資機材、車両の説明書は絶対に読みましょうね!!
ということで、ここまではそもそものボンベのことを書いてきました。
ボンベのそもそもを理解することは大事ですが、それよりも僕たち消防士にとって必要なのは空気の量について。
僕たちが活動する上で超重要です。
みなさんちゃんと把握していますか(^^)?
【空気ボンベにはどのくらいの空気が入っている?】
僕の所属では、ちょっと前までは14.7Mpaの小太りボンベを使っていましたが、
今は29.4Mpaのスリムなボンベを使っています。
ちなみにこんな感じです↓
見て何となくわかるとおり、スリムな方が軽くて扱いやすいですよね。
ではこの2つのボンベ、
どちらの方が空気入っていると思いますか?
14.7Mpa?それとも29.4Mpa?
本当、まさに数字のマジックです。
ということで、本当はブルネッカーで比較したいのですが、なかなか良い資料がなかったので、下記のミドリ安全の通販サイトへリンクしていただき、ボンベのスペックをまとめた黄色の表を見てください!
バイタス空気呼吸器用高圧ボンベ 4型 4リットル | 【ミドリ安全】公式通販
ここで注目するのは、容量、携行空気量、活動時間です。
いいですか?よーく比べてみてください!
充填圧力14.7Mpaのボンベ
容量:8.4ℓ
携行空気量:約1,260ℓ
活動時間:約21分〜63分
充填圧力29.4Mpaのボンベ
容量:4.7ℓ
携行空気量:約1,260ℓ
活動時間:約21分〜63分
よーく見比べましたか?
気づきましたか?
14.7Mpaのボンベと29.4Mpaのボンベを比べると、
充填圧力差が2倍
容量は1/2
空気量は同じ
ということがわかります。
単純に考えると、
今までの容器より軽くて小さくて扱いやすいけど、充填できる空気の量が減っちゃうと活動するのに困るから、もっと高い圧力で充填して、今までどおりの空気量を充填できるようにしちゃえ!
ってところですかね。
容器が小さくなった分、圧力かけてギュウギュウに押し込めてるという表現なら分かりやすいかもですね(^^)
ということで、お気づきかもしれませんが…
そう、携行空気量は同じなんです。
充填圧力が高くなることで空気の量も多くなると勘違いしがちですが、それは大きな間違いです。
充填圧力は空気をボンベに押し込めている力であって、空気量そのものを示すわけではありません。
これ、要注意です!!
そしてこれを理解すると、活動時間についても考える必要がありますね。
次はその辺を書いていきます。
【活動時間の計算】
さて、空気ボンベに入っている空気の量がわかったところで、みなさん1番気になる
活動時間の計算
について書いていきますが…
これ、いろいろな方法があるので何とも言えない部分もあります。
ので、あくまでも僕の知っている基本的な計算方法を書いていこうと思います。
異論等あればご連絡ください!!
ということで、早速基本的な計算方法です。
基本的な活動時間計算方法
活動時間=ボンベ容量×{(残圧−3)×10}÷呼吸量
※呼吸量は、軽作業40ℓ/min、中作業60ℓ/min、重作業80ℓ/min、消防活動100ℓ/minと言われています。
…めんどい。笑
なんて言わず、試しに計算してみましょう。
充填圧力29.4Mpaの4.7ℓボンベで、Max充填のの場合だと、
4.7×{(29.4−3)×10}÷100=約12分
短っ!!
と思いますが、実際フル着装で訓練してみるとわかるとおり、こんなもんですよね。
人による個人差はあると思いますが、だいたいの人は当てはまるはずです。
が、僕個人としては少し短い感じがするのと、
現場じゃこんな計算してられないですよね。
ということで、僕自身が訓練をとおしてたどり着いた計算方法は、
8.4ℓの14.7Mpaボンベ
残圧−2=活動時間(端数切捨)
4.7ℓの29.4Mpaボンベ
残圧−15=活動時間(端数切捨)
としています。※若干の誤差は、ボンベが軽くなった分と思ってもらえればと思います。
あくまでも僕個人の計算方法ですので、実際にフル着装でどのくらい活動できるかを把握することが大事だと思います。
せっかく年度も新しくなったので、各所属で試してみてはいかがでしょうか?
【おまけ】
空気ボンベのことではないのですが、おまけとしてもう一つ。
みなさんの所属の空気呼吸器は、
残り何Mpaで警報器がなりますか?
僕の所属は、基本残り3Mpaになると警報器が鳴動します。
と、ここまで書いて気付いたら本当スゴいです。
実はここにも落とし穴が潜んでいます。
さっきまでのことを思い出すと、何となくわかりますよね。
そうです、ボンベによって残り3Mpaになったときの空気の量が違うんです。
比較してみると簡単です。
難しい計算(気温とか気圧とか)は省くとして、残り空気量は
ボンベ容量×残圧×10
で計算できます。(めっちゃざっくりですよ!!)
8.4ℓの14.7Mpaボンベであれば、残り3Mpaだと
8.4×3×10=252
4.7ℓの29.4Mpaボンベであれば、残り3Mpaだと
4.7×3×10=141
となります。
出た答えは残りの空気量なので、これをさらに活動中の呼吸量で割ると
8.4ℓボンベ⇨252÷100≒2.5⇨約2分半
4.7ℓボンベ⇨141÷100≒1.4⇨約1分半
が、残された活動時間となります。
仮に呼吸量が80ℓ/minだったとしても、
8.4ℓボンベは約3分
4.7ℓボンベは約1分45秒
という計算になります。
これを見て、みなさんどう思いますか?
もし4.7ℓの29.4Mpaボンベを使用していて、警報器鳴動の設定が3Mpaだったら…
警報器が鳴ってからじゃ遅いですよね?
ということで、早速所属の呼吸器の警報器が鳴動する残圧設定を確認してみてはいかがですか(^^)?
【まとめ】
今回は空気ボンベについて書いてみました。
いかがでしたでしょうか?
知っているようで、ちょっと忘れてたり、でも大事なことだったり。
どんな仕事でもそうかもしれませんが、良い意味での慣れは必要ですが、それが慢心に繋がってはいけません。
誰もが知っているような基本的なことだからこそ、もう一度と言わず、何度も何度も確認しておきたいものです。
さぁ新年度。
みなさんの新しい一年は、どんな一年にしますか(^^)?
今年度も頑張りましょう!!
☆火災性状のテキスト配布中☆
最近ご連絡いただくことが一段と増えてきました!
場所は違えど、同じ志を持つ消防士のみなさんがいると思うと嬉しい限りです(^^)!
引き続き無料でデータをお配りしていますので、ご希望の方は下記のアドレスまでメールを送ってください!
PDFデータをお送りさせていただきます(^^)
yamama.leo.1227@gmail.com
※お手数ですが、リンク切れなのでコピペしてください(^^;)