新任小隊長の独り言

現役消防士、新任小隊長の日々を独り言的につづります。

救急現場での失敗談

お疲れ様です、leoです。

 

あっという間に年末です。

 

本当、1年が過ぎるのはあっという間です。

 

コロナもまた増えてきてるし、この先どうなるんですかねぇ…

 

さて、今回は実際にあった救急現場での失敗談をつらつらと書いていきます。

 

実際の事案内容を書くと情報漏洩になってしまうので、部分的に脚色して書いていますが、僕が実際に現場で経験した失敗談です。

 

同じ轍を踏まないための教訓として、はたまた想定訓練のイチ想定として、

 

気軽に読んでいただけると幸いです(^^)

 

ということで、今回も最後までお付き合いよろしくお願いします!

 

 

 

 

【とある現場で】

 

その日は僕が救急隊長を務める日でした。

 

交代後の車両点検が終わり、さて事務整理するかな〜なんて思った矢先でした。

 

「救急出動、乗用車の単独事故により負傷者1名。通報は同乗者から、現場付近で救急車の誘導に入るとのことです。」

 

上記の指令内容を確認し、現場を見ると…

 

「お、こんなところで単独事故なんて珍しいね。ってことは、あんま大したことない事故かもね〜。」

 

そんな話をしながら救急車へ乗り込み、活動の打ち合わせを車内でしながら現場へ向かいました。

 

指令場所から、どんな事故なのかを想像するのも大切な場読みですね(^^)!

 

そんなこんなで出動し、現場の近くに差し掛かるも全く事故の様相なし…

 

あれ?現場どこだ??誘導いなくね???

 

機関員には徐行を指示、全員で周りを確認しながら進んでいくと、約100m先の角を曲がった死角にいました。

 

指令地点と現場が違う。

 

ここまではよくあることですね。

 

今回は交通事故という内容だったので、現場がないなんてことはあまり考えられません。

 

ので、現場付近を必ず巡回して確認する必要があります。

 

これはどの現場でも言えることですね。

 

しかも今の時代は固定電話ではなく、携帯電話。

 

当然ながら通報地点と現場の誤差はあるわけです。

 

そこをしっかり理解した上で、現場に向かい、現場を確認することが大事ですね!

 

ということで、ここまではまぁよくあること。

 

今回の現場はここからでした。

 

あれ?車2台あるし、どっちも大破してる…。しかもギャラリー(野次馬)めちゃくちゃいるじゃんか!

 

そうなんです、通報内容と全く違う状況だったんです。

 

単独事故じゃないし、車大破してるし、野次馬多くて傷病者どころか関係者捕まらんぞ(・Д・)!!と、久しぶりに焦りました。

 

ということで、現場到着前に車内で消防隊の増隊要請をしました。

 

そしてこれが、後の活動の支障になるとも知らずに…

 

そんなこんなで現場に到着、すぐに関係者に接触し傷病者の情報を取りに行きました。

 

事故は普通乗用車同士の正面衝突で、片方はエアバッグ作動する程のフロント損傷、もう片方はエアバッグは作動していないもののバンパーぶっ壊れ状態でした。

 

が、幸いなことに、お互いの車に乗っていた人らは多少の擦り傷はあるものの、ピンピンしてて歩いていました。

 

今の車の安全性能には脱帽です。

 

とはいえ、事故の状況から高リスク受傷機転なのは間違いなし、歩けるのは参考程度に、スイッチ入れて傷病者の観察にあたりました。

 

そしてもうお気付きかと思いますが…

 

傷病者増えたじゃん。それも一気に6人…。

 

マジか…こんなんアリか…

 

さすがにテンパりました(ー ー;)

 

救急隊1隊では、どうにもこうにも捌ききれない…

 

と思った矢先!

 

消防隊が到着してくれました!

 

助かった…(*´∀`*)!!

 

が、しかし!!

 

また問題が発生するのです…

 

 

 

【VS意思疎通のできない隊長さん】

 

応援に来てくれた消防隊の隊長さん、ウチの会社でも5本の指に入るほどの有名人(悪い意味の)。

 

パワハラ全開、そのクセ何もしない、現場じゃ役立たずで指揮を執らない…

 

そう、どこにでもいるクソ上司の典型です。笑

 

現場に来た時「うわっ…」と思ったのも束の間、案の定、現場で指揮を執らないどころか、全く現場に近寄ってこない。

 

というか、現場散歩してね!?

 

おーい、応援に来てくれたんじゃないのかーい(T_T)

 

という気持ちは汲んでくれず、僕はその隊長の相手するのを諦めました。

 

もちろん隊員さんたちは一生懸命活動補助に当たってくれたので、僕は後続隊への情報共有等々を進めることができましたが…

 

結局、その隊長とは最後まで会話はなく、搬送先病院のみを伝え現場を離脱しました。

 

正直なところ、こんな活動ありえませんよね…。

 

現場でコミュニケーションとらないとか、どうなってんの!?と。

 

さすが悪評高い大物でした。

 

二度と現場で一緒になりたくないし、一緒に勤務したくないです。(とか言ってたら次年度一緒になっちゃったりして…)

 

とはいえ、僕の中でものすごい反省すべき活動内容でした。

 

この記事を書きながらも、まだ胸が苦しくなる嫌な感じが残っています。

 

結果的には、傷病者は打撲のみで軽傷、事故の割に何事もなく、といった感じでした。

 

帰署後、すぐにフィードバックする機会をいただき、今回の案件について検討してみました。

 

 

【フィードバック】

 

①誰のための、何のための現場活動だったのか。

 

これが全てを物語ってます。

 

今回の僕の活動は、誰のためだったのでしょうか?何のための活動だったのでしょうか?

 

ケガや事故で困っている人たちに、僕たちの組織内の揉め事や厄介事は関係あるでしょうか?

 

もちろんですが、全く関係ないですよね。

 

だから何なのかと。

 

僕の1番の反省は、完全に私情とも言えるこの"厄介事"を現場に持ち込んで活動してしまったこと。

 

あの上司はダメだから、アイツが嫌いだから、使えないヤツだから…

 

関係ありませんね。

 

そんなことは現場ではどうでも良い事です。

 

今ある環境、人、モノを最大限使って、今できる最高の活動をすること。

 

もちろんそれらの要素が活動に支障をきたすこともありますが、それを言い訳にしてはプロ失格ですよね。

 

だって、もし自分の家が火事になって、来た消防隊が「今日のメンバーダメなヤツばっかりで、うまく活動できないんですよね。」なんて言ってたらどうです?

 

僕だったらブン殴りますね。そんなことどうでもいいから早く消せと。

 

そう、だからこそ忘れちゃダメなんです。

 

誰のため?何のため?を。

 

こんな初歩的なことだからこそ、ですよ(^^)

 

 

②隊長はプレイングマネージャーになっちゃダメ

 

圧倒的な消防劣勢状態だった場合、自らが率先して活動しなければならない状況もあることかと思います。

 

今回書いた現場でも、まさにそんな状況だったのことがわかるかと思います。

 

特に傷病者が多いまたは増える時は、初動隊だけでは対応困難になることでしょう。

 

もちろん、後着隊が来るまで隊長自らが活動に加わることは重要です。

 

が!

 

いつまでも活動に加わりっぱなしではダメとは言いませんが、あまり良くはありませんね。

 

よく言うプレイングマネージャーになってはいけないと。

 

一般企業では、後任が育ちにくい環境になってしまうため、自身が手を加えてやるのではなく、"見守ってあげる"ことが大事と言われていますが、

 

消防で言うならば、現場全体を見渡して隊活動を回すことが大事!という感じですかね。

 

そう、現場を俯瞰です。

 

現場全体を管理するためには、自身は一歩引く必要があります。

 

そうすることで、現場全体が見えて管理しやすくなるだけでなく、安全管理をしやすくなるというメリットも生まれます。

 

とはいえ、やっぱり切羽詰まった状況では、なかなかそうもいかないことも多く…本当に難しい。

 

難しい事ではありますが、現場経験を積み、さまざまな想定での訓練を行うことで身につくものかと思います。

 

いつどんな状況でも、視野を常に広く持っていれるよう努力しなければなりませんね!!

 

このこと、いつぞやのブログでも書いたかなと思いますが、まさかここに来て自分に返ってくるとは…

 

僕もまだまだまーだ甘ちゃんってことですね(ー ー;)精進せねば!!

 

 

③さぁ、想定訓練スタート!!

 

ということで、早速やってみましょう(^^)

 

指令内容と違う、傷病者が増える、野次馬たくさん、応援に来た隊長がポンコツ

 

無限の組み合わせが可能です。(想定訓練のことでなければ、なんか魅力的な言葉なんですけどねぇ…笑)

 

以前の記事でも書きましたが、しょーもない内容の救急訓練こそ、隊活動の真価が問われます。(言葉は悪いですが、悪意は全くありません。みなさんに伝わりやすい言葉を選びました。)

 

特に今回書いた内容は、そっくりそのままやってみても良いかと思います!

 

そして何より、やった想定は本番が必ずあります。

 

これは僕の署だけのジンクスなのかもしれませんが、想定訓練すると、その想定まんまの現場があったりします。笑

 

だからよく言われます。

 

「leoさんやったから現場あるぞー。気をつけろー。」と。笑

 

とまぁ冗談みたいなところはありますが、想定とは言え、一度でも考えてやってみたことは、同じような状況に遭遇した時に、絶対に生きてきます。

 

知っているのとやった事あるのは別物です。

 

実際に頭を使って体を動かし、隊として想定訓練を行いましょう。

 

あり得ない想定ではありません。

 

現にあり得た現場の想定なので。

 

だからやりましょう!!明日にでもすぐに!!

 

 

 

【まとめ】

 

さて、今回は本当にあった救急事案のことを、ごっちゃごちゃにして1つのストーリーに仕立ててみました。

 

いかがでしたでしょうか?

 

僕たち消防士は、火事に行くことも救急現場に行くことも、はたまた119番通報を受けたり、事務仕事をしたりすることもあります。

 

内容は全くもって違いますが、1つだけ共通点がありますね。

 

そう、僕たちの仕事は困っている人たちの為の仕事なんですね。

 

これが全ての大元です。

 

そして絶対に忘れてはならないことです。

 

また、僕はこのブログを通じて多くの方と繋がることができ、全国各地の様々な"事情"をお聞きすることがあるのですが…

 

職場の環境や人間関係は、ぶっちゃけ全国どこも同じようなもんだと感じています。

 

そしてあえて言うならば、全て自分次第です。

 

職場のせいでも、上司や同僚や後輩のせいでもありません。

 

全部自分次第です。

 

だからこそ、自分から動き出さなきゃ何も始まらないんですね。

 

誰のために、何のために、僕たちは仕事をしているのだろうか?

 

そんなことを、改めて思い返すキッカケになれば嬉しい限りです(^^)

 

今回はうまくまとまりましたかね?笑

 

さてさて、年末に向けて世の中もバタバタし始めました。

 

火災シーズンを迎えるだけでなく、事故や救急も増え始める季節です。

 

そしてまたコロナも増えてきているようですので、ここでまた一つ気を引き締めて勤務にあたりましょう!!

 

今回も最後までありがとうございました(^^)!

 

 

 

 

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(面倒ですがコピペしてください!)

 

お気軽にどうぞ!