新任小隊長の独り言

現役消防士、新任小隊長の日々を独り言的につづります。

PTSDについて

お疲れ様です、leoです。

 

ここ数ヶ月の間で、凄惨な事故が立て続けに起こっています。

 

池袋暴走 事故車のアクセルとブレーキに異常なし 踏み間違えか - 毎日新聞

 

多重事故で男性2人死亡=送迎バスの園児も搬送-熊本:時事ドットコム

 

自衛隊員救護も命救えず 千葉・木更津の小3女児死傷事故 - 産経ニュース

 

大津事故 2歳男女2人が死亡、9人が骨折など重傷 - 産経ニュース

 

(それぞれニュースサイトにリンクします。ご注意ください。)

 

連日どこかで必ず交通事故が起きていますが、最近は悲惨な事故が多いように感じます。

 

そして交通事故が起きているということは、どこかの消防士が現場活動しているわけです。

 

上のリンクで挙げた事故は、多くが子ども達が巻き込まれた事故です。

 

同い年くらいの子どもがいる人からすると、とても想像しがたいことかと思います。

 

そして、そんな現場で活動したことがきっかけで心に相当のストレスを抱えてしまい、心身に影響が出る…

 

そんな状況を防ぐために、今回はPTSDについて書いていきます。

 

今だからこそ、改めて考えてみましょう。 

 

 

【目次】

 

 

PTSDとは】

 

もう皆さん知っていることかと思いますが…

 

改めて用語の意味を調べてみましょう。

 

PTSDとは

心的外傷後ストレス障害のこと。

命に関わるような強烈なショック体験や、事故や犯罪などに巻き込まれたことによる強い精神的ストレスが心のダメージとなり、時間が経ってからも、その経験に対して強い恐怖を感じたり、心身に影響が出たりする。

誰でもなりうる心の病気である。

 

いわゆる“トラウマ”と呼ばれるものですね。

 

消防の世界では“惨事ストレス”と言った方がわかるかもしれませんね。

 

そして僕たち消防士にとって、とても身近な障害です。

 

僕たち消防士は、普通の人が「一生に一度関わるか、関わらないか」ぐらいの災害現場が日常の中に存在する職業です。

 

そして、普通の人が目を背けたくなるような現場でも第一線で活動しなくてはなりません。

 

言うならば、

 

いつPTSDになってもおかしくない

 

環境にいる訳です。

 

ではそのPTSD、どんな症状があるのか、ちょっとしらべてみましょう。

 

 

 

 

PTSDの症状】

 

僕もにわか知識なのですが、調べてみると以下のような症状があるようです。

 

  1. ツラい記憶がフラッシュバックする
  2. 不眠症になる
  3. 感情が麻痺する
  4. 原因に似た状況を避ける

 

など…。

 

まだ他にもあるかもしれませんが、いずれの症状も

 

自覚症状がなかったり、人に相談しづらいものであったりします。

 

僕も今思えばですが…

 

消防士になりたての頃、列車に轢かれて脚の轢断現場に出動した夜はご飯食べれませんでした。

 

しばらくの間は肉見ると思い出したりしてましたね。

 

これも軽いPTSDだったのかもしれません。

 

きっとこのブログを読んでくれている人の中にも、

 

「あれ、もしかしたら…」

 

という人もいるかもしれません。

 

自覚症状が出にくい分、苦しんでいる人も多いようです。

 

では、もし先に書いたような症状に心当たりがある場合、どうすれば良いのでしょうか?

 

 

 

 

PTSDの治療】

 

PTSD“心の病気”です。

 

その治療には、以下のとおり2つの代表的な方法があるそうです。

 

心理療法

    原因となった状況をあえて思い出し、危険ではない、怖くはないと実際に体験させる方法など。治療法を熟知した医療関係者とやることが重要。 

 

薬物療法

    抗うつ剤気分安定薬など、薬による治療。

 

いずれにしても、自分一人では治療できません。

 

少しでも不安に思うようなことがあれば、地域の保健所や精神保健福祉センターの相談窓口に相談すると良いかと思います。

 

また、より具体的に治療が必要だと思ったら、専門の医療機関を受診しましょう。

 

 

 

 

PTSDを防ぐために】

 

ここまでPTSDについて書いてきましたが、何よりもPTSDにならないようにすることも重要です。

 

ツラい現場でしたツラい経験は、1人で乗り越えるものではありません。

 

隊として活動したのですから、隊として乗り越え、PTSDを予防しましょう!!

 

では僕たちができることは何でしょうか?

 

それは気づいてあげることです。

 

本人に自覚症状が出にくいからこそ、周りの人たちが“気づいてあげる”こと。

 

いつもと何か違うな

テンションの上がり下がりがスゴいな

なんか暗いな、元気ないな

 

こんな感じで、気づいてあげることがPTSDを予防する第一歩です。

 

そして、もし気づくことができたのなら、

 

話を聞いてあげましょう。

 

これもものすごく重要です。

 

消防士という職業柄からか、悲惨な現場やツラい現場だったとしても、それを誰かに話すことをしなかったりします。

 

だからこそ気づいてあげて、話を聞いてあげましょう。

 

なんかあった?

元気ないな、どうしたの?

もし話せるなら話してごらん。なんでも聞くよ。

 

タバコ吸いながらでも、ふいの休憩時間にでも良いと思います。

 

話を聞き、分かち合うことが大切です。

 

さっきも書きましたが、

 

同じ現場に同じ隊として出動したのですから、ツラい現場や悲惨な現場での経験を、みんなで分かち合ってPTSDを予防しましょう!!

 

 

 

 

【まとめ】

 

今回はPTSDについて書きました。

 

消防士という特殊な仕事で、本当にいつPTSDになってもおかしくない環境にいるわけです。

 

心が弱いから、根性がないからではありません。

 

いつ、誰がなってもおかしくはない“心の病気”です。 

 

そのことをしっかりと理解し、PTSDにならないよう、みんなでサポートしあいたいですね。

 

最後にリンクを貼ります。

 

お時間あれば見てみてください(^^)

 

https://www.google.co.jp/amp/s/www.buzzfeed.com/amphtml/kellyoakes/ptsd-job-is-related-mental-health

PTSDについて書いてあるコラムです。)

 

今回も最後までありがとうございました(^^)!

 

 

 

 

PTSDとトラウマのすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

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消防士を救え!―災害救援者のための惨事ストレス対策講座

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