新任小隊長の独り言

現役消防士、新任小隊長の日々を独り言的につづります。

火災防ぎょ訓練

お疲れ様です、leoです。

 

梅雨が明けだ途端、もんのすごい暑さですね(;´д`)!

 

夏場の活動は本当しんどいですよね…

 

なんてことも言ってられず、僕たちは頑張らねばなりません!!

 

ということで、今回は「火災防ぎょ訓練」について書いていきます。

 

ただ、みなさんが考える想定とはちょっとだけ違うかもしれません。

 

良ければ最後までお付き合いくださいね(^^)

 

 

 

【火災防ぎょ訓練】

 

もうやって当たり前かもしれませんが、今回僕がやった想定は、たぶんやった事ない人が多いはず。

 

どんな想定かというと…

 

その他火災

 

です。

 

みなさん、この想定訓練したことありますか?

 

僕の所属は片田舎のため、そこら中で火燃し(いわゆる"野焼き"です。)しています。

 

ので、一年の中でも「その他火災」と呼ばれる火災(田んぼの畦から逃火、ゴミ焼却の火の粉から延焼など)が多く発生しています。

 

本来、野焼きや自宅でのゴミ焼却は禁止されていることなので、法的にもアウトなのですが、

 

農家さんが多い土地柄、まぁ無理なわけで…。

 

一向に解決する気配のない大問題ですね。

 

まぁ解決する気もない所属なので、僕らにできることといえば、防ぎょ戦術を考えることぐらいです。

 

ので、早速やったわけです。

 

僕の勤務する署は訓練環境バッチリで、訓練棟もあるし、屋外階段もあるし、狭い路地にベランダもあるし、何より裏に山と林があります。

 

この環境を最大限に活かすべく、後輩と共にその他火災の活動訓練を行いました。

 

まず後輩に確認します。

 

「その他火災の時のホースラインは?」

 

「自分だったらこう考えています!」

 

良い回答をもらいました!

 

統一された戦術がウチにはないので、自分の考えを持ち、それを言語化して伝えられるのは良い事ですね(^^)!

 

ナイス後輩!笑

 

さて、どんな回答だったかはさておき、ぜひぜひこれは"検証"していただきたいですね。

 

特に、ホースは何mm持っていくか。これ大事な検証です。

 

街中の建物火災、車両火災などの訓練は多く実施しているかもしれませんが、

 

このその他火災、侮ることなかれ。

 

めちゃくちゃキツイですから!!

 

…さてさて、なぜそんなにキツイかというと、ちょっと考えてみましょう。

 

その他火災の場合、多くは自隊の車両から遠く離れて活動することになります。

 

車両が直近部署できない場所での火災がほとんどですからね。

(田んぼとか畑とか河川敷とか想像してみてください。)

 

そして広範囲の火災になりやすいいう特徴もあります。

 

つまり転戦に次ぐ転戦の可能性大です。

 

建物火災や車両火災以上に、機動力が求められる火災ということですね。

 

これは相当厄介です。

 

そして追い討ちかのように、絶望的に足場が悪く平坦ではない地形が僕たちの体力を奪っていきます。

 

ぬかるんでたり雑草が生い茂っていたり、さらにアップダウンならぬアップアップの連続があったり…

 

ホース持ちながらは相当キツいですよね…(´Д` )

 

 

そんなこんなを考えながら、負荷を加えながらやっていくと、色々見えてくると思います。

 

一緒にやった後輩は、残念ながら途中離脱(軽い熱中症)してしまいましたが、多くのことに気づいてました。

 

後輩が気づいたことは以下のとおり。

 

①ホースは◯mmにします。

②ホースに通水する前に登っておきます。

③通水後に転戦する場合、容赦なく水抜いてから転戦します。

④防火服のポケットには必ず飲み物入れときます。

⑤ヤバくなる前に言います。

⑥下るときは真っ直ぐじゃなく、斜めに下りていきます。

 

うん、良い気づきだ。笑

 

①については、みなさんぜひやってみてください。そしてどうだったかを共有してほしいですね(^^)!

 

②&③は文字どおり、ホースに通水されてると重いってことです。

機動力重視の現場で、いかに工夫できるかが重要です。

今回気づけたのはデカいですね(^^)

 

④は先ほど書いたように、放水箇所が車両から近いとは限りません。

僕が以前出た河川敷のその他火災では、堤防にしか車は停まれなかったため、河川敷と堤防を登り下りするハメに…

車戻るだけで、軽く熱中症になってました。

今の時期は暑さが異常なので、車両から近くても遠くても飲料水の携行は必須です。

必ずポケットに500mlのペットボトルは忍ばせときましょう。

 

⑤も大事です。

限界を知っておけば、現場で1欠を防ぐことができます。

ヤバくなってからでは遅いわけで、隊として機能しなくなってしまいます。

その為には限界が来る前に休むこと、そして休んだら復活できるように自分で自分の身体をコントロールすること。

なかなか言い出しづらい職務柄ではありますが…(ー ー;)

根性じゃどうにもなりませんからね。自己管理、とても大事です。

 

⑥は、ヤバくなった後輩が斜面から転げ落ちそうになったことで気づいてました。

斜面を下りるとき、斜に対して足を垂直にして下りると膝カックンくらいます。

疲れて足が効いてるときなんかは危険ですね。

ので、よく登山で言われる"疲れない降り方"、斜に対して水平に足を運ぶと転びにくくなります。

これも大事です。現場でケガしたら恥ですからね。決して勲章だなんて思っちゃダメですよ。

 

 

 

…と、こんな感じで訓練を終えました。

 

この炎天下、1時間ほどでしたが、こまめに何度も休憩を入れながらやってもキツかったです。

 

後輩はバテてダウンしてましたが、それは先輩としての管理不足であり、後輩としては体力不足を実感させられるものでした。

 

建物火災の訓練はバンバンやることかと思いますが、今回のように地形を使った火災対応訓練も重要かと思います。

 

僕個人の考えですが、何にしてもやったことないことはできるわけがないんです。

 

火災一つにしても、建物や車両だけでなく、林野もその他も色々あります。

 

いつどんな火災が起きても、バッチリ対応できるようにしておかなければなりません。

 

様々な戦術、放水方法、海外のやり方を学び実践することはとても大切なことですが、

 

その他火災のように、足元を見直すような活動訓練もとっても大切です。

 

この考えもお師匠さんの受け売りなんですけどね。笑

 

ということで、

 

このクッソ暑い日々が続く中ですが、たまには建物火災ではなく、所属の実情に合わせたような火災想定訓練をやってみてはいかがでしょうか(^^)?

 

いろいろと発見できますよ〜(^^)!!

 

今回も最後までありがとうございました!

 

 

 

 

 

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