お疲れ様です、leoです。
どんどん寒くなってきてますね。
もう朝晩は本当寒くて、ウチのワンコの散歩がキツくなってきました…(-_-;)
みなさん、体調管理には気を付けましょう!
さて、今回は熱画像直視装置について書いていきます。
火災防御に非常に役立つ資機材です。
改めて勉強しましょう(^^)!
【目次】
【熱画像直視装置とは】
皆さんの所属には、どんなメーカーの熱画像直視装置が配置されているでしょうか?
僕の所属には、FLIRというメーカーのK55という機種が配備されています。
[参考]
フリアーシステムズ | サーマルイメージング、ナイトビジョン、赤外線カメラ | FLIR Systems
この他にも呼吸器で有名なDräger社からも出ていたり、様々なメーカーが作っています。
ではその熱画像直視装置とは、いったいどんな資機材なのでしょうか?
Google先生に聞いてみましょう!
…が、出てこなかったので、僕の言葉で簡単に説明します。
熱画像直視装置
いわゆる"サーモカメラ"のこと。
物体が放出する赤外線を温度として検知して、それを画像にして可視化する装置。
赤外線カメラとかサーモグラフィーとか言えばピンとくるはず。
暗闇の中で使う暗視装置なんかも、これと同じ仕組みのようです。
火災現場では炎が上がり、たくさんの赤外線が放出されています。
そこでこの熱画像直視装置を使うことで、部屋の温度を測定したり、要救助者の検索、戦術や隊活動の方針を決める手助けなどをするわけです。
当然のことですが、人の五感では赤外線は感知できませんし、燃えているものの温度はわかりません。
熱画像直視装置は、赤外線を感知することで物体の温度や空間の温度を測定することができる、非常に便利な資機材なのです。
ではこの熱画像直視装置、どんな場面でつかえるでしょうか?
ちょっと考えてみましょう。
【使用する場面】
先述したとおり
熱画像直視装置(以下、「熱画像」とします。)は、赤外線を感知して熱を視覚化してくれる資機材です。
まさに消防士必須装備って感じですよね。
ではどんな場面で使用するのか。
それではまず火災現場を想像してみましょう…
①現着時
いきなり!?と思いましたか?
そう、いきなりです。
消防士は消火活動して終わりではありません。
鎮火後の原因調査も行います。
原因調査で重要なのが、出火元を見つけることです。
建物の焼け状況を見て、辿り、調査を進めるわけですが、
ここで熱画像が使えます。
現着時、漠然と炎に対峙するのではなく、
熱画像を使って温度が高い場所を探してみてください。
なんでかと言うと、
出火元=熱源=熱い!からです。
単純かもしれませんが、火災初期から中期であれば、火元となる場所を予測する一つの手段となるはずです。
建物の焼け具合や先輩達の経験に基づいて出火元を探ることこそ何よりですが、
新たに数値としての予測を持たせても良いのでは?と思います。
②屋内進入
僕らは消防学校で屋内進入の要領を学びます。
そして所属でも、部隊の連携訓練と言えば屋内進入と言ってもいいくらいやりますよね。
でもその屋内進入の方法、
今の資機材や今の家屋の状況にあわせて、ちゃんとアップデートしてますか?
今回は熱画像の内容なので書きませんが、屋内進入については、また近いうちに更新しますね(^^)
ということで!
屋内進入する際、セオリーではドアの温度を確認するかと思います。
その方法はと言えば、
防火手袋越しにドアを触って
ですよね。
しかも、ヤケドして物を握れなくなると困るから必ず手の甲側で、とか。
ツッコミどころ満載な気が…(・ω・)
ここで単純なことを聞きます。
触ってドアの温度わかりますか?しかも防火手袋越しに?ヤケドするかもしれないのに?
当たり前に教わったことですが、
そんな曖昧な基準や判断で自分の命をかけられますかね?
僕は…やっぱ嫌だなぁと思ってしまいます。
そこで活躍するのが、熱画像。
熱画像さえあれば、ドアの温度は一目で数値化されます。
わざわざ触ることなく、ヤケドのリスクを負わずに、しかも温度が数値化されて…本当便利な資機材です!
③環境測定
屋内進入の際に使うと前述しましたが、これもまた同じように、
火災室の室温を測る環境測定に使用することができます。
具体的に言うと…
みなさんはフラッシュオーバーの発生する可能性がある温度を知っていますか?
正確な温度は定義されていませんが、
おおよそ500℃〜800℃と言われています。
そしてフラッシュオーバーに巻き込まれた場合、完全装備をしていたとしても確実に負傷し、最悪の場合死に至ります。
フラッシュオーバーを未然に防ぐ放水方法もあります。
が!その前に!
火災室の温度を測定してから、進入可能かを判断すべきであり、その為に熱画像を使用すべきだと思います。
熱画像を使って火災室の環境測定を行う。
これ、自分の身を守る為に必要不可欠ですよね?
④人命検索
火災室は濃煙で満たされていることでしょう。
室内を視認で確認できるような環境ではないはずです。
そこで活躍するのが、熱画像。
前述のとおり、熱画像は赤外線を検知してそれを視覚化してくれます。
それが例え濃煙の中であっても、人から放出される赤外線をキャッチしてくれます。
ちなみにFLIRの場合ですが、濃煙で全く先が見えない状況でも、熱画像だと人の形が白く映ります。
濃煙の中、全く先が見えないのに、目視で「誰かいるかー!?」なんて叫び続けて空気を消費するより、熱画像を使って効率よく人命検索をすべきではないでしょうか?
と、こんな感じで使う場所により活躍してくれます!
つまり熱画像は、消防士の第三の目として活躍してくれる優れモノということです。
これ、あるのに使わない手はないですよね!
ただ、やっぱりデメリットはあります。
それは何でしょうか…?
【デメリット】
前項までに挙げたように、熱画像はとっても便利な資機材ということがわかったと思います。
が、1つ弱点があります。
それは、
遮へいされると映らない
ということ。
試しにFLIRでやってみましたが、ティッシュペーパー1枚でも間に入った場合、ティッシュで遮へいされました。
調べてみたところ、赤外線は反射する能力が高く、透過する能力は低いため、ティッシュ1枚でも赤外線が透過せず、ティッシュで遮へいされたということかと思われます。
(すみません、詳しくは自分で調べてみてください…汗)
このことから、人命検索の際には十分気を付けなければなりません。
もちろんのことながら、建物の外から内部の環境測定はできないため、必ず開口部を作り、そこから環境測定しなければなりません。
人命検索の際、要救助者が家具などの下にいる場合は検知することができません。
つまり、何かしらの遮へい物があると人を見つけることが困難になるということです。
僕たち消防士の第三の目になってくれる優れモノですが、それに頼りっぱなしではいけないわけですね。
自分達の目で確認し、それを補うために熱画像を使う。
「まずは自分で」というのは、どんな資機材であっても共通することです。
この基本を忘れなければ、熱画像の特性を十分に生かすことができるのではないかと思います(^^)
【まとめ】
今回は熱画像直視装置について書いてみました。
この記事を読んでくれた方は気づいたはずです。
もう残火処理だけでは使わないって。
熱画像は自分達の身を守るための素晴らしい資機材です。
その使い方、用途、特性をよく理解して、火災防ぎょに役立てなければ
ただの宝の持ち腐れです。
火災初期から屋内進入まで、様々な場面で活躍します。
この記事を読んだ後は、ぜひキャビン内に熱画像を配置して、無線と一緒に現場へ持っていってください!
今回も最後までありがとうございました(^^)
次回は屋内進入について書きます!
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