お疲れ様です、leoです。
すっかり紅葉の季節ですね。
そして2017年も残すところあと1カ月ですね。
歳をとるにつれ、1年が短くなっていく気がします…。
さて、今回は消防団について書いていこうと思います。
良かったら最後までお付き合いください(^^)
消防団とはどんな組織か、みなさんは知っていますか?
消防団とは、消防組織法で定められ市町村条例によって設置される、自治的な消防組織のことです。
そしてその消防団を構成する消防団員の方達は、非常勤特別職の公務員という立場となっています。
google先生をもってしても、実にわかりづらい。笑
ざっくり言ってしまえば、各市町村で地区ごとに設置された“地域住民の有志による消防組織”といったところでしょうか。
(と、書きましたが、住民だけでなく各市町村在勤の方もOKだったりします。)
よく英語で”volunteer firefighter”なんて言ったりしますもんね。
でも決してボランティアな訳ではありません。
ちゃんと市町村ごとに決められた年報酬や出動手当が支給されています。
有志による消防組織だけれど、ちゃんと貰うものは貰ってますよ〜、といった感じです。
そして重要なポイントが、消防団員の方達は“普段は自分たちの仕事をしている”ということです。
例えば自営で店を営なむ人であれば、災害時には店を閉めて出動することになります。
店の売り上げにも関わりますし、かなりの負担だということは簡単に想像できます。
僕のいた所属では主に自営業や農業の人がほとんどでしたが、やはり災害時の参集率(災害現場に来てくれる確率)は低かったです。
そりゃそうです。自分たちの仕事をしていますからね。
それにも関わらず消防団が組織されているのは、
自分たちの街は自分たちで守る
という心意気からくるものだと、僕は思っています。
それでは消防団はどのようなことをしているのか、次のセッションで書いていきたいと思います。
消防団という組織について簡単に書いてみましたが、みなさんは消防団がどのような仕事をしているか知っていますか?
ちょっと調べてみると、火災が発生した時や台風などの自然災害が発生したときなどに出動し、消火活動や救助活動を行う、なんて出てきますね。
これはみなさん知っていることかと思います。
が、もちろんこれだけではありません。
この他にも意外に仕事盛りだくさんです。
・火災予防運動中の警戒
・年末年始の警戒
・操法大会
・出初式
・消防団器具庫の点検
・普通救命講習の受講
・その他各種訓練
思いつくだけでこんなにあります。
特に操法大会と出初式は大変です。
消防団メインのイベントなので、準備から本番まで、けっこうな時間拘束されます。
操法大会となると、大会に出るメンバーは毎晩練習することになり、身体の負担も心の負担もかなりのものになります。
(“大会”なので、良い成績取れるように厳しい指導があったりなかったりするんです)
しかも平日はみなさんご自分のお仕事をされているので、イベントごとは全部土日開催となり、団員の方の負担は僕たち消防職員より大きいのではないかと思います。
それでも消防団として活動していただけるのは、
自分たちの街は自分たちで守る!
という気持ちをもっていてくれているからだと、思いたいですね…
なぜこんなニュアンスなのかというと、次のセクションへ続きます。
【消防団員が減っている!】
先述しているように、消防団は“自分たちの街は自分たちで守る”という、素晴らしい使命を持って活動しています。
しかしながらここ最近では、消防団員数がどんどん減っていく一方です。
確かに自分たちの仕事があるのに、災害が起きたら出動し、イベントがあれば土日も潰れてしまう…
簡単に書いていますが、団員の方たちは本当に大変だと思います。
でもきっと、それだけが原因ではないと僕は思っています。
ここからは僕のいた街の消防団のイメージかつ僕の持論なので、あくまでも参考程度に見てください。
①イベントが多すぎる
先ほども書きましたが、あまりにもイベントが多すぎると思っています。
消防団の方達は、あくまでも“ボランティア精神”が元で活動してもらっています。
それなのにも関わらず、何かにつけてイベントへ駆り出され、長い時間拘束されることもあり、さらには規律がなってないだの、やる気あんのかだの口を出される始末…
そりゃ、やる気も来る気もなくなりますよね。
来て当たり前じゃなくて
忙しい中、休みのところ来てくれてありがとうございます!
という風になれば良いんですが…
なんだか、です。
②“地元”の束縛感
これも大いにあるのではないかと思います。
僕は田舎町の消防だったので、消防団もイメージどおりの“The消防団”でした。
団員の方の話(グチです)を聞いたら、
「団に入らないと居づらいんだよね」
なんてこと言っている人もいました。
消防団は地元密着の組織なので、田舎に行けば行くほど“地元の束縛感”は半端ないものだと思います。
地元の先輩後輩関係があったり、団の中での階級によって上下関係が生まれたり、プライベート面でもいろいろとあるようでした。
仕方のないことだとは思うのですが、やっぱりある程度の線引きは必要だと思います。
それがなかなかできない人が多いのも事実…
これもなんだか、ですね。
③飲み会問題
こんなこと書いてはいけないかもしれませんが、消防団は飲み会が多いです。
これがまた本当に多くて、団の方も団担当になった職員も、本当に本当に大変だと思います。
僕も本部にいたとき、団担当ではなかったのですが“付き合い飲み”の回数がグンと増えました。
僕は飲み会自体、悪いものだとは思っていません。
みんな気分良く飲んで、腹割って楽しく話して仲良くなれるので、チームワークを育む良い機会だと思っています。
ただそれにも限度ってものがあります。
たくさん飲んだから仲良くなる訳ではないし、チームワークが良くなる訳でもありません。
出費もかさむし、奥さんの機嫌もどんどん悪くなります。
現に、これが嫌で消防団に入らない人も多くいます。
僕のいた街の消防団だったからなのかもしれませんが、飲み会問題は、消防団員が減っていく原因の一つだと思います。
というわけで、僕の持論を展開してみましたが、これじゃ消防団に入らない方が良いんじゃないかと思っちゃいますよね。
でもそれじゃ困るんです。
消防団に入ることによって、どんなメリットがあるのか、ちょっと考えてみたいと思います。
【消防団に入ろう!】
前のセクションでは、だいぶネガティブなことばかり書いてしまいました…。
見ていて気分悪くなった方がいたら、本当にすみません。
それでも事実は事実として、一個人の考えだと思って見ていただけると助かります。
さて、このセクションでは消防団に入るメリットについて考えていきます。
①報償や手当がもらえる
消防団として活動すると、1年ごとに決まった報償が支給されます。
地域によって金額は違いますが、それなりの金額がもらえることが多いようです。
そして災害現場への出動や各種イベントへ参加することにより、出動手当が支給されます。
これも一回につき金額が決まっていて、トータルするとなかなかの金額になるようですね。
消防団を一定期間務め、退団する時には年数に応じた退職報奨金も支払われます。
これもまたかなりまとまった金額のようです。
まぁ休日返上で“働いて”もらっているので、当たり前っちゃ当たり前のことなんですけどね…
でもやっぱりお金がもらえることは、悪い気はしませんよね。
②地域の中でちょっとしたヒーローになれる
消防団に入ると、上から下まで消防団の被服が貸与されます。
(もしくは他の人のお下がりかもしれませんが)
職員と区別するため、制服のデザインは少し違いますが、周りから見れば完全に“消防士”です。
僕の奥さんも「あの人は消防士さん?それとも団員の人?」なんて言っていたので、一般の方から見たら、消防士となんら変わりないようです。
つまり頼もしくカッコいい“消防士”の制服を着ることができます。
これは僕が思うに、子供に自慢できます。笑
だって子供からしたら、消防士の制服を父ちゃんが着てたらカッコいいですもんね。
職員と団員という違いはあるかもしれませんが、周りからしたらカッコいい消防士さんです。
子どもからも地域の人たちからもカッコいいと思われるような、地域のちょっとしたヒーローになってみませんか?
③他じゃできない経験ができる
“消防”という世界でないと経験できないことがたくさんあります。
たとえば災害発生時の現場活動。
火災であれば、消防車に乗って現場へ駆けつけ、ホースを伸ばし消火活動を行います。
普通に暮らしてたら、こんな経験できませんよね。
災害現場なので、つらい現場や苦しい現場も多くあるかと思いますが、
消防に携わることでしかできない経験です。
この他にも軍隊のような規律訓練をしたり、何かと大変な上下関係に悩まされることも多々ありますが、いずれにしても他では経験できないようなことを
良くも悪くも、たくさん経験することができます。
…どうしよう、デメリットに比べてメリットが思いつかない…(-_-)
とはいえ、しかしながらです。
確かに物事を決めるのに、メリット・デメリットを比較して検討するかもしれませんが、
消防団の仕事に限ってはそれだけではないような気もします。
あまり精神論は好きではないのですが、
自分たちの街は自分たちで守るという心意気や信念は、メリット・デメリットでは計れない部分があるのではないでしょうか。
自分の人生の中で、大いに誇れる素晴らしい仕事だと、僕は思っています。
嫌なことやツラいということが目立ってしまいがちですが、そればかりではないことも事実です。
【最後に…】
ここ最近では、消防団に関する悪いニュースが報じられることも多くなりました。
団車両でうどん屋に立ち寄った!なんてニュースも記憶に新しいですよね。
確かに印象は悪いですから、仕方ないと思う反面、なんだか寂しくも感じました。
こんなにも目くじら立てて取り上げるようなことだったのか、とか
きっと団のことを良く思ってない人が通報したんだろうな、とか
いろいろ考えてしまいましたね。
僕自身は、消防団の人達は本当によくやってくれていると思っています。
文句言いながらも、土日のイベントには参加していただけるし、災害現場では地元のことを知り尽くしているから心強いし、何より僕たち消防職員のことを一番良く理解してしてくれています。
頭上がらないです。本当に感謝しています。
消防団をより良くするためには、いくつもの課題があると思います。
いつまでも時代の流れに乗れないままでは良くなる訳がありません。
飲み会の数も、変な上下関係も、変な地域のしがらみも
今の時代のニーズに合わせて、“こちら側が”変化をしていく時ではないでしょうか。
すぐには変えることはできませんが、若い人たちの意見を積極的に取り入れて、新しい形の地元に密着した消防団になるといいなと思いながら、今回のブログを終わりにしたいと思います。
長かった上にまとまらず、申し訳ないです。
今回も最後までありがとうございました(^^)
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