お疲れ様です、leoです。
もうすぐ一年が終わりますね。
みなさんはこの一年、どのように過ごしましたか?
僕はこのブログを立ち上げて、自分の考えを発信してみました。
とにかく“アウトプットしてみよう!”と思ったのがきっかけで、何やかんやここまで書き続けることができています。
みなさんに見ていただく回数も増えてきました。
本当にありがたいです(^^)
来年も継続して、みなさんに面白いと思ってもらえるような記事を書いていきますので、よろしくお願いします!
さて、題名についてですが、月初めの12月3日の朝刊に
「救急車の不搬送約1割」
なんて記事が掲載されていました。
一般の方からしたら1割なんて大した数字じゃないかもしれませんが、
僕たち消防士からしたら大変な数字です。
最近では救急車の適正利用の広報を多く行なっていますが、なぜこんなにも減らないのでしょうか?
むしろ減るどころか増える一方…
いち消防本部(局)だけでは解決できる問題ではないかもしれませんが
改めて考えてみませんか?
【原因を考えてみる】
救急車の“不適正利用”の原因について考えてみましょう。
特に現場サイドの見方だと、より具体的に原因がわかりそうですね。
原因①救急車がタクシー代わり
言葉が悪いと思いますが…
これは本当にどうしようもないクソな理由ですよね。
現場にいれば、間違いなく誰もが経験しているはずです。
僕も何度も経験しました。
“救急常習者”と呼ばれる人達に多かったと僕は思っています。
救急車がタクシー代わり
正直これには腹立たしさしか感じません。
足が痛くて歩けないから
ちょっと熱があるみたい
車がないから自分で行けない
お酒飲んじゃって運転できないから
こんな理由で呼ばれます。
こんなにもモラルがない人達が世の中にいるのかと、こういう事案に出動する度に思っていました。
しかし僕たち消防士には断る術はありませんし、当然怒ることもできません。
呼ばれれば駆けつけ、丁寧に対応する。
それがどんな理由であっても、です。
なんだかとても理不尽ですよね…。
原因②そもそも救急車がいらない
どういうことかというと、例えばこんな事案。
「茨城に住むおばあちゃんから電話で、熱があるって話なので、そちらに救急車お願いしても良いですか?え?わたし?私は東京の職場にいますよ!」
ご家族の心配な気持ちはよ〜くわかりますが…。
きっとどこの消防本部でも“また聞き通報”が増えていることかと思います。
僕のいた所属でも、“また聞き通報”で何度も振り回されました。
現場が違ったり、そもそも現場の住所がわからなかったり…
そして極め付けは、ようやく現場に着いて傷病者(?)からの一言
「別に救急車呼んでないし、病院になんか行きたくない」
そうですか、必要なかったんですね…。救急隊は引き上げます…。
もうなんじゃこりゃです。
確かに救急車を呼ぶなんて、一生に一度あるかないかの一大事だと思います。
それに家族の“緊急事態”を目の前にしたら、どんな人も慌ててしまうと思います。
だから一様に否定はできません。
けれどちょっと待ってみて、本当に救急車が必要なのか考えられると良いですよね。
線引きがものすごく難しいことですが、やはりある種の「基準」となるものが必要なのかもしれません。
原因③無料で呼べる
これは“すぐに呼べる”という、良い面も悪い面も含んでいます。
けれど最近では、悪い面ばかりが目立っているように感じます。
先述しましたが、“タクシー代わり”になってしまう原因の一つですね。
病院が遠い
車がない
お酒飲んだから運転できない
こんな理由で呼ぶ人たちは
「どうせお金かからないしタクシー代わりに呼んじゃうか」
くらいの感覚なんでしょうね…
確かにどんな理由で呼んだとしても一切お金はかかりません。
“公共のサービス”ですからね。
税金を納めているんだから、来て当たり前。
やってもらって当たり前。
呼んで何が悪い?
…モラルがないというか、何か人として欠けちゃってる気がして悲しくなります。
ここ最近では、救急車を有料化にするような動きもありますが、現実的にはなかなか厳しそうです。
有料化することで、本当に必要な人がお金のことで躊躇する可能性もありますし、それこそ「金払ってるんだから何しても良いだろ」的な方達も増えることが考えられます。
僕自身、有料化には賛成の立場ですが、諸刃の剣的な気はしています。
ただ、救急車の適正利用を促すには相当の効果があるのではないかなぁと、思っています。
さて、ここまで原因について、簡単にですが書いてみました。
みなさんはどう思ったでしょうか?
他にもたくさんの原因があると思いますが、次からはその解決策について考えていきたいと思います。
考えて策を練っても何も変わらないかもしれませんが、少しでも問題意識を持ち、考え行動するきっかけになればと思います。
【対策を考える】
みなさんだったらどのような方法を考えるでしょうか?
僕がまず考えたのは、広報の方法についてです。
例えば、個人に向けた広報を実施するというのはどうでしょうか。
というのも、ただポスターを作って掲示するだけでは、よほど興味を引くようなものでない限り人の目にはとまらないと思います。
現にポスターを立ち止まって見ている人は、あまり見かけませんよね。
ではどうするかとういと、市や町の広報誌に掲載したり、地域新聞の折り込みにチラシをいれてみたり、回覧板の中にチラシを折り込んでもらってみたり。
(ちなみに僕の住んでる地域では、回覧板で回ってきます)
ポスターのように、たくさんの人を対象にした広報ではなく、個人を対象にした広報を仕掛ければ、きっと一度は手元に届き目にすることになるはずです。
もちろん見ない人もいると思いますが、それでもただ貼ってあるポスターよりは効果があると思います。
そしてその内容も大切です。
救急車の適正利用を!
なんて漠然としたものじゃなくて、
実際にどれくらいの割合で不搬送事案があって、それはどんな理由なのか、そしてそれをお金に換算した場合、どのくらいの損失が出ているのか。
特にお金のことを掲載すると、興味を引きやすいのではないかなぁと。
今までのような漠然とした内容ではなく、より具体的に今の現状を伝える内容であれば、目に止まる確率も上がるはずです。
自分達でデザインを考えて、自分達で印刷すれば、予算も使いませんし予算の面でも優しいと思います。
僕が担当なら、やってみたい事の一つですね。
しかしです。
個人向けの広報をするにも限界があります。
きっと救急常習者はそんなの見ても気にしないだろうし、今までも散々広報やってきていますしね。
(それが効果的だったかは別ですが)
ではどうするか。
やはり行き着くところは
救急車の有料化だと、僕は考えます。
先ほども書きましたが、僕は救急車の有料化には賛成の立場です。
本気で救急車の適正利用を促すのなら、この方法しかないと思っています。
救急車が無料でないことがわかれば、“救急常習者”と呼ばれる人たちは、そう簡単には呼べなくなるでしょう。
また安易な気持ちで救急車を呼ぶ人も減ると思います。
お金を取るということが、間違いなくブレーキをかけてくれるでしょう。
しかし逆を言えば、本当に救急車が必要な人たちの足かせにもなり兼ねません。
どのくらい費用がかかるのかわからない
そもそも払えるだけの余裕がない
だから呼ばない。
こうなった時、別の意味での“適正利用”ができなくなる可能性もあります。
更には「お金払ってんだから、何やっても良いだろう!」という人たちが現れることも考えられます。
(これもまたタチが悪そうです)
こんな風に、救急車の有料化は適正利用促進に大きな効果はあるかもしれませんが、その分新しい問題もたくさん出てきそうです。
僕は今までやったことないことをやるんだし、問題出たらその都度考えて対策すれば良いと思うので、すぐにでも導入しても良いのかなぁと思うのですが…
やっぱり難しい問題ですよね。
みなさんは対策として、どんなことを考えるでしょうか?
【まとめ】
救急車の適正利用のために
結局、具体的な解決策については書くことができず…
本当に難しい題材について書いてしまったと感じております(-_-;)
しかしながら、こうして結論の出ないことを対して考えるということは、とても良いことだと思います。
いろんな角度から良い事も悪い事も探せますし、答えがない分いろんな意見を聞くことができますからね。
と書きつつ、自分でも完全に着地点見失っていました…。反省ばかりの記事になってしまいましたね(-_-;)
さて、まとめですが、今回は救急車の適正利用について書きました。
このことについての結論は出ないままですが、その対策として“救急車の有料化”が議論として持ち上がっているということは、いずれ導入する方向で調整しているのは間違いないと思います。
もしかしたら近い将来、救急車が有料化される日が来るかもしれません。
その時僕たち消防士は、どんな風に対応していくか、この問題を考えているかいないかで、大きな差が出てくる気がします。
だから、答えが出なくても考えることをやめないで欲しいと思います。
そしてこの記事を書いていて、最後の最後で思いました。
きっとどんなに素晴らしい解決策を考えたとしても、
最終的には、救急車を利用する人達のモラルの問題になってしまうのではないかなぁと。
最後の最後でこんなこと書くの申し訳ないです…
人が人を思いやるからこそ、救急というサービスが成り立つのではないかと思います。
そのためにアシストできるだけの考えを、僕たち消防士が持てると良いですね。
…うーん、やっぱりうまくまとまらないです。汗
長々と書きましたが、改めて救急車の適正利用について、みんなで考えてみませんか?
その答えが出なくても、考えることこそ、先に進む一歩だと思います。
少しでも消防という社会が良くなるように…
今回も最後までありがとうございました(^^)!
みなさん、良いお年をお迎えください(^^)!
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